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哲学
ローマの哲人皇帝マルクス・アウレーリウスの自省録を読んで、私が考えたこと
今回紹介する本は、岩波文庫版 神谷美恵子訳 の自省録です。とても古い本(なんと初めて印刷になったのは、1558年とのこと)なのでいろんな版が出ていますが、こちらがオススメです。 それは訳者の神谷美恵子さん(精神科医で思想家、多くの著作がある... -
日本の作品
皆川博子の薔薇密室は、読んだら抜け出せなくなるまさに密室でした
今回の作品は、文庫で600ページ超えの大作でしたがそんな長さを感じさせない読み応えのある歴史ミステリ、薔薇密室をご紹介します。 読んだ感想 物語を必要とするのは、不幸な人間だ。薔薇密室より抜粋 こんなページから始まる物語。 実際、私は小説や... -
日本の作品
皆川博子のウー(U)を読んで、皆川ワールドの沼にハマりました
今回紹介するのは、幻想文学を多く書いていて舞台や設定が海外文学作品に近い、皆川博子の小説 ウー (U)です。 私は先生の作品を読むのはこれが初めてだったのですが、見事に沼にハマりました。本の裏表紙のあらすじだけ見て、この作品に関しては前情報一... -
哲学
ソフィーの世界を読んだら、哲学初心者の私に学びの入口ができた
今回の記事は、世界中でベストセラーになった哲学ファンタジー作品のソフィーの世界をご紹介していきます。 世界で一番やさしい哲学の本・・本当にその通りでした! 文庫本はこちらです 単行本はこちらです ソフィーの世界はこんな本 ひと口に哲学ファンタ... -
海外文学
現代ポルトガル最重要作家の代表作、エルサレムを読んだ感想
今回は、ゴンサロ・M・タヴァレスというポルトガルの作家の代表作であるエルサレムをご紹介します。 私がこの作品を読もうと思ったのは、まず表紙の感じとタイトルに惹かれてだったのですがあらすじと帯に書かれた一文を見て、これは自分が好きそうな物語... -
海外文学
カミュ作のペストは、コロナ禍で生きた全人類が読むべき感染症文学である
今回は災禍のたびに読み直され現代の古典と言われている不朽の名作、アルジェリア生まれのカミュが1947年に出版したベストセラー作品ペストを紹介します。 タイトルで言い切りましたが、本当にこの作品はコロナ禍で生きている私達なら誰でもが共感でき... -
海外文学
カミュの異邦人とシーシュポスの神話を読んで、不条理文学と不条理哲学を考える
カミュの「異邦人」と「シーシュポスの神話」は、セットで読むことをオススメします。 なぜなら「異邦人」で感じた違和感を「シーシュポスの神話」で探究すること、これこそがこの作品を味わいつくすのに必要だからです。 海水浴や太陽がストーリーに出て... -
海外文学
トルコ初のノーベル文学賞作家オルハン・パムクの無垢の博物館を読んだ感想
婚約者がいながら美しい少女との愛の逢瀬を重ねていく男の無垢なる恋の物語 読めばこの題名にも納得できる 異色の恋愛小説 ノーベル文学賞受賞後の第一作目であるパムクの無垢の博物館。オルハン・パムクは初めて読んだのですが、この小説を読んですぐフ... -
海外文学
ミヒャエル・エンデの名作モモを読んで、自分の生き方と時間について考えた
今回は、ドイツの児童文学作家であるミヒャエル・エンデのモモを読んだ感想と、読後に私が考えたことをまとめます。 この作品は子供の頃に一度は読んだことがある人が多いと思いますが、アラフォーの私はこの歳まで読んだことがなく、もっと早く読んでいれ... -
海外文学
ヴァージニア・ウルフの波 新訳版を読んでモダニズム文学を知りました。
2021年の6月に出版されたこの「波」は、45年ぶりの新訳なのだそうです。 私はこの新訳版が初めて読むウルフ作品だったので、技法もさることながら、こんな小説があるのかと驚きとともに これが20世紀モダニズム文学なのだなと認識をした次第です...