韓国のベストセラー小説 82年生まれ、キム・ジヨンを読んで私が考えたこと

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本とタイトル 82年生まれ、キム・ジヨン

この本は韓国で大ベストセラーになった小説であり、2020年には日本でも映画が公開された作品です。

表紙裏には、

ムン・ジェイン大統領もプレゼントされた!

K─POPのアイドルがこの本を読んでいると発言しただけで炎上!

韓国の社会現象となった本書が、世界的に#Me Tooムーブメントのまきおこる今、ついに日本上陸。

82年生まれ、キム・ジヨン 裏表紙より抜粋

とあります。なにやら只事ではない雰囲気を醸し出している本書を、今回は深掘りしていきます。


目次

この本を読もうと思ったきっかけ

私は何を隠そう(なにも隠してない)82年生まれである。そして、韓流ドラマ好きである。(誰も聞いてない)

これは読まないワケにはいかんだろう!ということで読みました。

しかしながら出だしにも書きましたが、前評判と言いますか、この本の性質として半端な気持ちで読んではいけない気がして、なかなか手を出せずにいました。

女性差別やフェミニズムといったテーマが重いかな?と心配しているそこのあなた、安心して下さい。

作品自体はとても読みやすく、むしろ小説というよりはドラマを見ているような感覚でした。

†黑ミリ†
ページ数も200ページいかない位なので、長い小説を読むのが苦手な方や、韓流ドラマ好きにはかなりオススメです!

読んだ感想

韓国の小説を読んだのはこれが初めてでした。

私はこの小説の主人公と同じ82年生まれで、結婚はしていますが子供はいません。

なので全てに感情移入できたわけではないのですが、隣国のフィクションではあるけど妙にリアルな社会の状態だったり女性の生き方に、心が乱されました。

そんな私でさえそうなのだから、もしかしたら同じような体験をされている人なら尚更なんじゃないかなと思いました。

韓国で大ベストセラーになったのも納得できました。

きっと本当に多くの韓国人女性が

『これは自分だ』

と思ったのだとしたら、やはり韓国社会の性差別は闇が深い…。

小説の終わり方も、現実社会とリンクしているようで自分も含め全世界の女性の生き方について、考えたくなる作品でした。

この小説は韓国ドラマを見慣れている人だったら世界観に難なく入れるところですが、初めて韓国文化に触れる人には少し分かりづらいところがあるかもしれません。

女性の生き方を考える

左手の薬指に指輪

このテーマは、私自身ずっと抱えているテーマでもあり韓国のみならず日本はもちろん、昨今世界的に考えられているテーマでもありますね。

結婚して子供を産んで家庭に入る。

これが何十年か前までは当たり前でした。少なくともこの小説の主人公キムジヨンが生まれた80年代はそうでした。

私の生まれ育った環境も、母親が専業主婦で父親が一家の大黒柱でした。

そして今にして思えば私の父親は、とんでもない男尊女卑的な考え方の持ち主であったと、この時代になって改めて気づかされました。

恐ろしいのは、それが当然の環境で育つことによって

男尊女卑という概念すらわからない人間

を作り出してしまうというところです。

†黒ミリ†
どうしてそんな風になってしまったんだろう…



私の父は『女はバカでいい』『女は愛嬌だ』『髪の毛を短くするな』などと平気で口にするような人でした。

今考えたら女性蔑視にモラハラという、どこかの世間を騒がす政治家みたいですが(笑)

そんなことが当たり前の環境でしたので、その当時は何の疑問も持たず父親の言う通りに母も姉二人も私も、髪の毛を短くしたことは一度もありませんでした。

外泊も禁じられていたので、幼稚園のお泊まり会に参加できなかったことを今でも恨めしく感じています。

こうして自分の人生を振り返ってみると、82年生まれキムジヨンと共通するようなところもあるような気がします。

今現在私と同じ80年代生まれの女性の方は、まさに結婚していたり子育て中だったり仕事を任されて責任ある地位になっていたりする年代だと思います。

だからこそ、この小説を読んでいろんなことを考えるのでしょう。

数年前まで当たり前だった適齢期で結婚して家庭に入って子育てするといった環境で育てられた時代とは違い、今は女性の生き方も多様化しています。

そんな時代の境い目に生きている私たちに向けられた(といっても過言ではない)この小説の、存在意義はとても大きい!

この小説を読んで、女性差別や色々なことを考えるきっかけになったらいいなと思います。

韓国のフェミニズムについて考えるならこちらがオススメです。

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本とタイトル 82年生まれ、キム・ジヨン

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この記事を書いた人

† 黒本 未莉 くろもとみり †


† 1982年 東京生まれ  


† 高校中退の元書店員、現在は夫と二人暮らし。
 
 本が好き。

 読書の魅力を、自分の言葉で伝えていきたい。

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